神奈川県｜横浜市｜神奈川区｜建築設計｜耐震改修設計｜補強｜防災設計｜一級建築士事務所 株式会社ＫＲ建築研究所

周辺住宅に対するプライバシーや騒音の配慮のため、隣地側を閉じ敷地中心に設けた中庭に大きく開く構成とした。中庭にはプールやウッドデッキ、ケヤキの木などを配し、楽しげでシンボリックな場所となった。さぎ沼なごみ保育園で培った手法を更に発展させ、こどもに優しく、スタッフも使いやすい保育園を目指した。中庭を中心にコンパクトにまとまっているが、内部は個々のスペースが互いに溶け合って、伸びやかでゆとりのある空間となった。

廊下との間仕切をつくらないオープンな保育室、そして回遊性のあるプラン。さりげなく大人に見守られる中で、こども達は元気に自由に動き回れる。

設計のポイント
保育園にとって重要なことは、開放感があると同時に、保育者と子供と親とのコミュニケーションがとれることと考え、自由に動き回れ、お互いの気配を感じ、明るく風通しのよい空間とした。無垢のフローリングや木製の個別収納家具、塗料など自然の材料を多く取り入れることなど、随所に工夫を施し、裸足で駆け回る子供の安全に配慮し、子供の目線で考え、日々の生活と遊びの中で子供達がのびのびと育つような空間とした。こども達が好む、あいまいな空間も大切にした。子育て支援センターは勾配天井、大空間とし、屋上庭園へのつながりも持たせた。環境負荷の抑制に努め、外断熱工法と蓄熱式床暖房設備を採用し、屋上緑化などで建物全体を包み込み風の通り道をつくることにより、エネルギーの消費を軽減しランニングコストも抑えた。

設計条件は、鉄骨造で平屋建てのローコストのものであった。室内は、保育園規模が120人定員で、0才児から5才児を入所対象とする他、一時保育、子育て支援スペースの確保が必要で、中央部に自由度のある多目的ホールを設け、トップライトや吹き抜けのあるのびのびとした空間とした。外観は、無塗装でも素材や質感に優れた材料を外壁に選定し、屋根は、周囲の環境に配慮した勾配屋根とした。